タキシフォリンについて

シベリアの永久凍土に生きるカラマツ、開発の歴史

シベリアの永久凍土に生きるカラマツ、開発の歴史タキシフォリンが発見されたのは、酷寒の地シベリアの永久凍土に生きる樹木からです。その樹木は「カラマツ」。夏はプラス40℃、冬はマイナス60℃にも達する酷寒の地で、数百年の寿命を持つ驚異の植物です。人々はこの木を「神の樹」とあがめ呼んでいます。シベリアのユカギール人やヤクート人は、この木の皮を剥ぎ、木の部分を削り、馬乳や魚粉を混ぜて煮出したスープを飲んでいました。病気を遠ざける栄養豊富な薬用植物として、人々に大切にされていました。

N.A.チュカーフキナ博士N.A.チュカーフキナ博士は、フラボノイドの分野での先駆的な基礎研究の創始者として世界的に優れた学者ですが、ソ連科学アカデミー・シベリア支部のイルクーツク有機化学研究所の天然化合物実験室長であった時、松科の植物のシベリア落葉松、ダフリア落葉松、及び他の木材のフェノール化合物の化学成分の集中的研究を行いました。独創的なクロマトグラフ法や物理化学的方法の複合法を用いて植物源から60以上の天然フェノール化合物を分離しました。その中に80%以上の純度のジヒドロケルセチン(ロシアでの名称で、欧米ではタキシフォリンと呼ばれる)がありました。その成分こそ、タキシフォリン、ポリフェノール類の植物フラボノイドの一種です。

1977年に、モスクワのI.M.セーチェノフ名称モスクワ医学アカデミーの有機化学部部長になった博士は、そのカラマツの木部から抽出されたバイオフラボノイド混合物を基にした一連の医薬品、生理活性食品添加物の開発を行いました。それから二十数年の間に、多くの研究機関の学者との共同研究で、タキシフォリンの毒性、薬効薬理の研究、臨床研究が重ねられ、のちにロシア連邦保健省はこの成分を毛細血管保護、及び抗酸化特性を有する医薬品として承認しました。また機能性食品として、食品の賞味期限を延ばす食品添加物としても承認され、今日、医療現場や、食品工業、一般家庭で広く使われています。

タキシフォリンの効果

植物フラボノイドといえば、フランスのボルドー大学名誉教授のジャック・マスカリエ博士によって1979年に発見されたフランス海岸松の樹皮成分のピクノジェノールが有名です。その物質はその抗酸化力によって血管保護、美肌、疲労回復、若返りなどの効果があるとされ、世界的に人気を博しています。

薬品シベリアの落葉松の研究はこのピクノジェノールの研究よりも20数年も早く、発見者のチュカーフキナ博士指導の下、モスクワ医学アカデミー、モスクワ農業アカデミー、トムスク科学センター薬理学研究所等多くの大学や研究機関で、毒性や薬理などの基礎研究、臨床研究が続けられ、今も続けられています。研究環境が欧米や日本とは異なるため、この物質は長く世界的な認知を得ることはなかったのですが、現在では日本を含め、米国、西欧、アジアの諸国での研究も広がり、科学的なエビデンスは十分そろっております。特にその抗酸化作用は、これまで登場したファイトケミカルの中ではトップクラスであり、また日本でのこの物質に関する抗糖化の研究から、今後、糖尿病や動脈硬化、認知症などの血管疾患、及び多くの生活習慣病の予防や改善に高い有効性が期待されています。

2017年4月に英国のActa Neuropathologica Communicationsに発表されたアルツハイマー病(脳アミロイド血管症モデルマウスTg-SwDIモデルマウス)でのAβ凝集抑制効果、脳血流の改善、水迷路試験でのマウスの空間認識機能の改善でのタキシフォリンの効果は、この物質が持つ可能性を大きく広げるものの一つです。この研究は、国立循環器病センターと、京都大学、TRI(公益財団法人 先端医療振興財団 臨床研究情報センター)が共同で行ったものです。

 

タキシフォリンの機能性

末梢血流改善

血漿の粘性を抑え、赤血球の変形能を高め、赤血球・血小板の凝集を抑える。
末梢血流を良くし、全身の細胞へ酸素、栄養物を運び、老廃物を取り除く能力の向上。

末梢血管強化

血管細胞の脂質過酸化を防ぎ、細胞損傷を防ぐ。
血管の浸透性を低下、及び抵抗性(機械的強さ)の向上、毛細血管の危うさ、及び 出血しやすさを減少。血管を若くする。

作用機序

抗酸化力は天然物では最強で、活性酸素の発生を抑え、活性酸素の捕捉剤としての能力が強い。活性酸素の細胞破壊を防止。
タンパク質と糖の化学反応を抑制する能力が高い(抗糖化力)。
以上の機能や作用から、タキシフォリンは、各種の作用(抗炎症作用、抗アレルギー作用、脂質低下作用、肝臓保護作用、胃保護作用、肺保護作用、抗浮腫作用、UV防御作用、美白作用、等)を有する。

安全性試験データ

急性毒性試験、亜急性毒性試験、慢性毒性試験、遠隔期後遺症(胎児毒性、催奇形性、繁殖機能に対する影響、変異原性、免疫毒性、アレルゲン性)試験

安全性認証

米国:GRAS (Generally Recognized as Safe)承認(米国:2009年12月17日)
欧州:Novel Food and Novel Foods Ingredients承認(欧州:2016年12月13日)

 

タキシフォリン開発の歴史

1960年代終わり ソ連邦科学アカデミーシベリア支部イルクーツク有機化学研究所天然物実験室で、チュカーフキナ博士がシベリア落葉松、ダフリア落葉松から80%の純度のタキシフォリンを世界で初めて抽出。
1970年代 抽出法の改良、タキシフォリンの毒性研究、薬理研究が開始。
1989年 イルクーツク有機化学研究所が初めて工業的規模の抽出に成功。
1990年代後半 ロシアでタキシフォリンを使った機能性食品が販売される。ロシア連邦保健省がタキシフォリンを医薬品原料として承認。
2002年 吉岡がチュカ-フキナ博士にカラマツ抽出物(タキシフォリン)の紹介を受ける。
2005年 日本の厚生労働省よりカラマツ抽出物(タキシフォリン)が食薬区分において食品として承認を取得。
2009年 世界最大のタキシフォリンメーカー<AMETIS>、米国のGRAS認証認証取得。
2011年 株式会社 加齢・栄養研究所 が日本での学術研究、開発を開始。
2016年 AMETIS、EUのEFSA(ヨーロッパ食品安全委員会)よりタキシフォリンをNovel Food and Novel Foods Ingredients認証取得。